序章 転生マンホール

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序章 転生マンホール

私は1人、夜の街を歩いていた。 1人なのが、自由なのが嬉しくて、鼻歌が漏れる。 普段の生活は、 起床、ご飯、勉強、勉強、ご飯、勉強、勉強、ご飯、勉強、勉強、勉強、就寝…… の繰り返し。 何一つ自由にできない生活に疲れた私は唯一の癒しとして、 こうして夜の街を歩いて、好きなように買い物して、好きなようにぶらつく。 ……それを「夜のルーティン」としていた。 勿論親にバレれば雷が落ちるので(雷が落ちたことは無いが確信はある)、家族には秘密にして。 ……この時間と、弟……いや、妹。 その2つだけが、私の生き甲斐だった。 「ん……、このマンホールって……」 私の住む町には、「転生マンホール」と呼ばれるマンホールがある。 そのマンホールの中に入る、または触ると、触った・入った人は死亡または失踪。 街の誰かが妊娠し、必ず生まれ出てくる。 そんなことから名付けられた。単純だ。 ただの偶然……と思いたかった。 自分が、同じ目に遭うまでは……。 あの日、私̀が̀あ̀れ̀を̀し̀た̀か̀ら̀、きっと……。
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