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「少し厳しく言いすぎたな。すまなかった。それ以外の呼称を検討してみたこともあったが、結局どれを選ぶこともできなかった」
「それは例えばどのような?」
めったに表情を緩めることのない監査官の表情についそう聞き返すと、その質問は予期してなかったのか、少し戸惑ったような答えがきた。
「ああ。例えば『闇の天使』……こういうと向こうの付属品のようだな。『星の御使い』……下っぱのようだ、と批判が出てこれも不可となった。そう言えば『星影の騎士』というのもあったな」
「騎士? どこに馬がいるんですか?」
亜理子はつい身を捩って笑ってしまった。
黒い翼と尻尾が椅子の背凭れに押し付けられて、ぺしゃんこになったがそんなことは気にならなかったようだ。
「そうだな。似たような反対意見が出て、結局それも不可となったな」
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