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月が柔らかく夜を照らしている。
月の光が降りたある町の一軒家。カーテンの隙間からかすかに漏れる月の光が家主の額をなでた。
主はベッドの上でもぞもぞと動きはじめ、やがてのそりとはい出てくる。あくびを吐きながらおぼつかない足で階段を降り、キッチンへたどり着いた。
冷蔵庫を開け牛乳を取り出し、コップに注いで一気に飲み干す。
キッチンテーブルにコップを置き、先ほど自分を照らした月を眺める。
「…眠れない」
そう、一言つぶやいた。
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