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弐
ある日の夜。
車が街を相当な速度で走り抜けていく。
「くそっ!捕まってたまるかよ!『Navi』!最適な逃亡ルートを提示しろ!」
『かなりの焦りを感じられます。国道線はただいま渋滞が発生しております。安全に通過するには北通りを進み、一度パーキングへ入り深呼吸をオススメします。』
「うるせぇ!北通りだな!」
運転手は『Navi』の指示を聞きながら車を北通りへ。
しかしその先は既に警察が道を封鎖していた。
「なんだと!」
こうしてまた一人の犯罪者が捕まった。
「いやー、またお手柄でした神崎さん。」
若い飄々とした警官が声をかけた警官は美桜の父親だ。
「そうだな。後もしっかりするだぞ都賀。」
仕事の美桜の父親はかなり寡黙だ。
「神崎さんが『Navi』を利用した捜査をしてから犯罪者の確保が1.6倍になってますよ。」
「そうだな。お前達も事件の情報はちゃんと分けた『Navi』へ聞くんだぞ。AIは質問を繰り返し成長する。犯罪者が突発で行うよりも合法的で合理的な判断をするから。」
神崎は年齢が高いのに『Navi』などの最先端の技術を使うのに積極的だ。
そんな神崎の横へ眼鏡をかけた男性が。
「しかし…『Navi』は犯人も使用している。次なるシステムが必要だ。」
「サイバー課の中堂か。」
「今は突発での犯罪は良くても、私達のように計画的に『Navi』を使う犯罪者や組織犯罪は捕まえれていない。今はNAVIGATIONではなく大手のSYSTEMAに『Navi』を越えるAIを開発を依頼してる。」
「新たなAIシステムを開発するのは良いが…大丈夫か?この間アメリカのAIが暴走したとか、ロシアのAIはバックドアが作られたとか。」
「『Navi』を進める神崎さんがよく言う。これからの時代はAIをAIで越える時代だ。常にアップデートが必要だ。」
中堂はそう言い去っていく。
「確かに『Navi』はアップデートしないってNAVIGATIONが言ってましたね。なんでだろう?」
「いいから、都賀。仕事するぞ。」
二人は仕事へ戻っていった。
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