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瀬戸は独りで頭を抱えていた。
「…何で死んだんだよ…。三宅。」
瀬戸が呟いた三宅。その三宅こそ『Navi』の開発責任者。そしてこの独特な成功を収めた張本人だ。
瀬戸は『Navi』の開発の三宅と友人であり、かつ『Navi』のアルゴリズムの重要な人間の感情を読み解き、分析をした生物学者だ。
こうして出来上がった『Navi』。
しかし三宅は『Navi』が浸透した後、自らの命を投げてしまった。
瀬戸は三宅の残したファイルを見た。
《…三宅は言っていた。『Navi』が人間を越えない様に…それでいて人に寄り添えるように。
通常のAIの様なビッグデータの解析はせず。ある程度近々のメモリーにある情報を分析し答えをだす。
そうするのとで十人十色のAIが生まれると。それでいて莫大な処理を出来ないから人間を越えることは無いと。
俺の生物学の話を参考にしたって…。
そして次のアップデートなどはウイルスや侵入対策システムのみで…。アルゴリズムが改新されることはない。
『Navi』には…
AIには、このままでは大きな欠陥を生むと言っていたが…それななんだろうか?
それが分からないと、これ以上にAIは進まないと三宅は言っていたが…。》
瀬戸は一人頭を抱えていた。
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