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そんな時、警察のサイバー課であるAIシステムが遂に起動をした。 そして密かに起動したAIにより、警察の検挙率が急上昇。更には暴力団のやしろ組を壊滅に追いやったとかなりの好成績を叩き出した。 たが、同時にある問題が。 一般市民の検挙も急増したのだ。 路上駐車にSNSにおける誹謗中傷、動画の違法アップロード、ポイ捨てまで。一般市民の27人に1人が検挙されるという異常事態に流石に説明が求められた。  そして中堂が国民に対しての説明を始めた。  「…皆さんのお気づきかと思いますが…警察のサイバー課が新たなAIシステムを導入しました。  名前は『百済義(くだらぎ)』。 百済義はその膨大な処理能力で街の監視カメラ等で『犯罪』に該当する行為を示す仕組みです。 『百済義』はあくまで犯罪者を特定し、検挙、逮捕するまでをサポートするAIで、既に浸透しているAI『Navi』よりもより膨大な規模でデータを収集することで犯罪を突き止める部分では既に優位性を持っています。 これにより大幅な検挙率の向上、並びに犯罪率の低下を可能にしました。このシステムの弊害としても捉えられているのが一般市民の検挙です。 ですが、今まで捕まっていなかったからいい。という考え方は改めて頂きたい。『百済義』の導入は小さな犯罪も確かな犯罪になると肝に銘じてもらいたい。 また『百済義』は人を裁く行為はしません。犯罪にたどり着いた経緯や裁く内容については皆さんの人間が総合的に判断を下すことで必要以上の罰が発生しないようにしております。 警察なので小さな犯罪を見逃さないのか?というのは見逃さない今の状態の方が正しいと判断しております。」 中堂の力強い説明は国民に更なる意見を巻き起こしていった。
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