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「よく、仮想のSFの物語で暴走などを起こすのはこの道理などが問題です。例えば全人類の行動履歴から最適な次の考動を指示するとなるとどうでしょうか? それだけの膨大なデータと処理する方法を定めればSFのような暴走は可能性としては否定はできません。 しかし、その為には二つの条件が必要です。 一つ。それだけの膨大な処理をする頭脳です。 今のAIなどは例えば視線、体の向き。そういった条件から指定以外の行動をしていると判断することができます。こういうことからカンニングの防止…つまり答案に解答しているかそれ以外かの判断をすることが出来ます。しかし、全ての行動となるとそれだけの処理と記録が必要かつ、その元となる道理を教えてやる必要があります。 そしてもう一つ、判定後の処理を行うことです。 仮にカンニングの判定をしても、それを次に処罰するとなるとそれの処理が必要です。AIと機械を組み合わせてそういったことも可能ですが、判定と行動が別物となれば全てが同一に暴走は起きないでしょう。 弊社の『Navi』の優れている点は人間の心拍などからその人の状態を分析する力です。しかし、メモリーは小さく人間を支配するほどの記憶は持ちません。その為『Navi』は質問をしてきた相手を見て判断をするという点では優れていますが、人の考動を支配するほどのメモリーと判断はあえて出来ない状態です。 回答を『Navi』がしても決めるのは自分というスタンスを保つことが出来ます。」 瀬戸の回答を記者はおのおの記録をする。 「…瀬戸さんは今後AIはどうなると思いますか?」 「……。」  瀬戸はその解答を少し考えて小さい声で答えた。
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