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「え!?…衰退?」
司会が聞き直すと瀬戸はムセ払いをして続けた。
「このまま何もしなければの場合です。『Navi』とて完璧ではないし、今の時代に何か一つにしがみつくのは賢くない。『Navi』は『Navi』として、また新たなシステムやテクノロジーの発展に貢献できたらと思います。」
瀬戸はそう言い深く頭を下げるとまた記事達は各々記録をした。
そんな様子もリアルタイムで様々な媒体で発信される。
ここ大山高校の生徒まで届いていた。
タブレットを食い入るように見ているのが高岸 光来。
「あぁ~やっぱりこれからの時代はAIだよなー。メタバースに暗号資産。これからがデジタルな世界が広がるぞー!」
タブレットを持ってくるくる回っていると、その後ろから声が。
「こら!光来!!」
「げぇ、美桜。」
直ぐに光来はタブレットを背中に隠した。光来の顔の下からショート髪を揺らして顔を近づける美桜。
「あんた、またそんなものを見て!」
「いやいや、少しくらいいいだろ?」
「いいわけないじゃない!あんた赤点補習でここに居るのに!ってか指導役の私の身にもなりなさいよ!」
「いやー、ごめんって。」
美桜は謝る光来の横を通り机の上にあるワークを確認すると空白が半分以上。それを見てため息だ。
「もぅ!漢字くらい覚えたら?」
「えぇー、要らないよ。今は予測変換で出るし調べれば良いし。」
「そんなことを言うから私の名前すら間違って書くのよ!」
「あれれー?そうか!?」
「ほら!ワークを続きしない!」
「ふへー。」
光来は美桜に背中を叩かれてワークに向かう。
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