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そんな形で光来はワークを進めていく。
「…美桜は何でそんな勉強してんの?」
「え?いい大学入って、いい企業に入ったりしたいからよ。それに機械に頼ってばかりじゃ自分で判断出来なくなるわよ。何が正しいも決めていくんだから。」
「でもさ…これからどうなるかわからないよ?大手自動車会社も半導体不足とかから倒産したろ?やっぱりAIや技術が必要だよ。デジタルの世界で永遠に生きれる話もあるし。」
「そんな馬鹿やってないで、続きをしなさい!」
美桜に叱られて光来はワークに向かう。
「『Navi』、二次方程式の解の公式を教えて
。」
『はい。こちらになります。』
タブレットの画面に解の公式が。
「あ!またそんな使い方!」
「何が?」
「自分で教科書開くとかして調べなさいよ!」
「いーじゃん?わからないことを一番最短で効率がいいし。」
「間違ってたらどうするのよ?」
「教科書だって間違うかもしれないだろ?」
「本当に屁理屈ばっかり。」
「屁理屈じゃないよ。今の時代に文通とか伝書鳩を使う人は居ないよ。便利な道具を受け入れるのが次の技術が発展するんだから。
俺は世の中をもっと便利していくんだ。
偉い人の言葉に便利さは求められるものじゃないってあったよ。車が生まれた時には移動に欲しいものは「より速く走る馬が欲しい」と言われたとかいうし。」
「はいはい。」
美桜は呆れていた。そして光来の姿を見ていた。
「光来。」
「ん?」
一度光来が顔を上げて美桜を見る。美桜は少し視線を外して、視線を戻した。
「…ううん、なんでもない。」
「そ?」
光来はそのままワークに向かう。
「……私が何で付き合うのか…考えた事…光来はないよね。」
美桜は一人、口だけ動かしていた。
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