Navi

壱

光来のワークに付き合う美桜はそのまま家に帰る。長い道のりは自転車で進んでいく。砂道を進む。

その砂道を進んだ先には家が、そこには車が3台止まっている。
「ただいまー。」
「おかえり美桜。」
美桜を迎えたのは父親だ。
「お父さん今日は帰ってきてたんだ。」
「あぁ、事件が一段落したしな。あれもこれも『Navi』のおかげだ。」　
「お父さんの捜査で『Navi』使ってるの？」
「あぁ、おかげで何倍も効率的だ。こうして家の時間も取れる。」
美桜は父親の背中を見て何も言わずに部屋に入っていく。

「…『Navi』。娘にはどうやって声をかけたらいい？」
『強いストレスを感じます。あなたはストレスが少ないときに声をかけるのが適切なので少し時間を置くと良いでしょう。』
「そうか。」
美桜の父親は一杯お酒を口にした。