ヒモの流儀

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　リナは平日毎日、仕事が終わらないと土曜も出勤して、一所懸命に働いている。働き始めて2年目だけど、まだまだ覚えなきゃいけないことが多いと言う。リナが仕事に行く日は数時間しか一緒にいられないから、僕はひとり気ままに過ごしている。

　この家は1LDKで、リナがひとり暮らししていたところに僕がやってきた。ひとりには広いけど、ふたりには狭い。

　リナを朝見送ったあとは、リビングのソファでもうひと眠りするのがお決まりだ。インテリアにこだわるリナは、シンプルで物が少ない部屋だけどお気に入りの家具を集めている。その中でもツイード調の少しごつごつした質感のソファが僕のお気に入りだ。リナはレトロなオレンジの色合いが気に入ってこのソファに決めたようだけど、色のセンスは僕にはよくわからない。

　お昼を過ぎると、天気が良ければベッドに移る。南向きの窓の下にベッドがあるから、昼寝に最適なのだ。カーテン越しの柔らかい日差しに包まれながら寝るのは最高に気持ちいい。

　そして日が沈み始めたらまたソファに戻り、リナの帰りを待って耳を澄ませながら、うとうと過ごす。

　これだけじゃ寝てるだけではないかと思われるかもしれないが、実際そうなのだから隠しても仕方がない。本当はリナと遊びたいけど、迷惑はかけられないし、お金をかけさせるわけにもいかないから毎日おとなしく過ごしている。