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 リナは観念したかのように、全てを話した。最近職場に行くと何度も吐いてしまったこと、ミスが多くなったこと、原因は上司に怒られるのが怖くなったことだと思うこと、目を赤くさせながら話した。 「そんなになるまで、あんたは頑張ってたのね」  お母さんのその言葉に、リナは子どものように泣きじゃくっていた。  僕は黙って、リナの震える膝に手を置いていた。  一通り泣いて、今後の話になった。  リナの希望は、休職または退職。とてもじゃないが当分出勤できないとのこと。  お母さんも僕もそれに賛成したが、いくつか問題があった。 「しんどい時期だから、実家に戻ったら?」  これがお母さんの提案だった。 「レンもいるし戻れないよ。ここでゆっくり過ごす」 「たしかに、うちのマンションじゃお父さんもいるしレンくんは来れないものね……」  僕とお母さんは何度か会ったことがある。なんなら家にお邪魔したこともある。ただお母さんは僕のことを好いてくれているのだが、お父さんに嫌われてしまっている。 「でも最優先はあなた自身のことよ。レンくんのことは置いといて、自分にとって本当に何がいいか考えてみたら?」  お母さんはそう言ってしっかり考えるよう促した。 「僕はひとりでなんとか生きていける。リナに迷惑なら家を出てもいい」  お母さんの言うように大事なのはリナにとって何が良いかだ。ヒモでも最低限のかけていい迷惑のラインがある。リナが元気になれないなら、僕はこの家にはいられない。 「大丈夫。ここにいるよ」  僕の言葉に、リナは今日初めて微笑んでそう答えた。  
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