1.人形と探偵とコスプレイヤー

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 ご飯とお風呂を済ませ、再び部屋に戻ると  時刻はもう21時になっていた  ベッドに横になり、携帯を手にするとすぐメールを開く 『こんばんは。起きてる? 様子はどう?』  宛先を彩に設定し送信する  しばらくしてピロリンと携帯が鳴る 『起きてるよ~! 今のところは何ともないよ。大丈夫』 「そっか。良かった」 『了解。何かあったらすぐ連絡してね!』  送信し、またしばらくして返信がくる 『ありがとう。じゃあ、おやすみ』 「うん。おやすみ」  返信を確認し、真希は携帯を閉じた 「さて、もう遅いし寝よっか。そうだ。明日、学校の休み時間に彩の様子を見に行こう」  常夜灯をつけベッドに横になる (連絡来てもいいように、携帯はこの辺に置いとこ)  しばらく天井を見つめ、真希は眠りに着いた  あれから、彩から連絡が来ることはなかった  翌朝、目覚ましの音で目が覚める 「あ、朝……」  真希はゆっくりと体を起こす  そして携帯を手に取る (連絡は……きてない。昨日は何ともなかったのかな)  部屋を出ると母が朝食を用意していた  父も席に着いていた 「おはよう、真希。今日も時間通り起きたわね。偉いわ」 「おはよう。流石、わが娘だな」 「おはようお父さん、お母さん。いつも通り起きただけなのに大袈裟だよ」 「あら、そんなことないわよ。時間通りに過ごすって、結構大事なことなのよ」 「そうだぞ。時間を見て行動出来てるってことだからな」  真希の母親は現役の弁護士  それ故、人一倍時間に厳しい 「じゃあ。お母さん仕事行くから」 「もう行くのか」 「うん。今日、大事な仕事があるから」 「行ってらっしゃい。気を付けてね」 「ありがとう。貴方たちもね。行ってきます」  鞄を持って母は出た  朝食を終えると、食器を食洗機にかけ身支度をする 「行ってきます」  制服に着替え学校に向かった  月島学園  そこは併設型の中高一貫校  敷地は広く校庭には噴水がある  高等科1年3組。そこが真希のクラス  クラスメイトに挨拶を交わしいつもの朝が始まる (HRが終わったら、彩に会いに行こうかな)  そう思っている内に終わりのチャイムが鳴る 「よし」 「立花さん? どこ行くの?」 「あ、えっと。ちょっと、話をしたい人がいるから」 「すぐ戻って来る? 次、移動教室だよ」 「分かってるよ。すぐ戻るから」  そう言い教室を出るとあるクラスへと向かう (彩の制服につけていた校章の色は確か黄色。黄色のクラスは1年1組)  1組に着くと教室の扉を開ける 「おはよう。紅葉彩さんいる?」  そう声を掛けると近くの席の女子生徒が反応する 「彩ちゃん? 彩ちゃんなら今日、学校休んでるよ」
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