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「だって、ずっと気になってたんだ。同い年で人形を連れた探偵ってどんな子なんだろうって」
これあげるっとウインナーを1つ真希の弁当に乗せる
ありがとうっと卵焼きを1つ梨沙にあげる
「確か真希ちゃんは、人形探偵って呼ばれてるんだよね?」
「う、うん。ほんの1部のところでなんだけどね」
貰ったウインナーを食べ、そう答える
人形探偵については、もっとマシな呼び名がなかったものかと思っていた
「じゃあ。いろんな事件解決してきたんでしょ? 凄いなぁ。大活躍じゃん」
「そ、そんなことないよ。お父さんと比べたらまだまだだし」
「でも、普通の学生にはなかなか出来ないよ」
「そう、かなぁ」
(私がやってるのって、お父さんの補助がほとんどだし……)
あはは……と苦笑する
「そう言えば、真希ちゃん。朝、彩ちゃんに話があって来たんだよね」
「うん。そうだよ」
「1組まで来るってことは、大事な話だったんじゃない?」
「あ~、うん。そう……なんだけどね。でも、急ぎじゃないし」
「そう?」
「うん。大丈夫」
(私からは、話さない方がいいよね)
「よかったら電話とかしてみるけど」
「いや。体調悪くて休んでるのに、流石に迷惑じゃない?」
「でも……」
「本当にそこまでしなくても大丈夫だよ。ありがとう」
「そう……?」
そう言った梨沙は、どこか不安げな様子だった
「ごめんね、真希ちゃん。彩ちゃん、最近様子おかしいから心配なんだ」
「えっ?」
(様子が……おかしい……?)
未菜の言葉が、妙に引っ掛かった
「様子が……おかしいって?」
「え? え~っと。なんか私達のこと、避けてるみたいなんだよね」
「あと、いつも何かに怯えてる感じ?」
「あとは……」
「まだあるの?」
「えっ? う、うん」
(結構ある……。2人を巻き込まないように避けてるんだろうけど。それだけじゃなさそう)
「真希?」
梨沙の呼び掛けに、はっと顔を上げる
「ごめん、続けて。出来れば詳しく聞かせて」
そう言うと2人は驚き顔を見合わせる
そして、不思議そうに真希を見る
「真希ちゃんって面白いね。彩ちゃんの事をそんなに聞きたがるなんて」
「あ~。家の職業柄、気になっちゃって……つい」
「お、さすが探偵。いいよ、わかる範囲で話すね」
弁当を片付けつつ話を続ける
2人の話を聞き逃すことがないよう、真希は真剣な表情で聞いていた
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