1.人形と探偵とコスプレイヤー

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 ところで……と彩は話を続ける。 「どうして私の体調が気になるの?」 「あ……。それはね、君の友人の梨沙と未菜に会った時に言ってたんだ。最近様子が変だって」 「えっ?」 「だから、どうなのかなぁと気になって…」 「そう……だっんだ……。心配してたんだ……」  俯き、ごめんねと彩は呟く 「彩の友人は、とても優しい人たちだね。ほぼ初対面なのに一緒にお昼食べてくれたし」 「そうだったんだ。確かに、2人は優しくで良い子たちだよ」 「信頼してるんだね」 「うん。そうだね」  そう言い彩は微笑む (良かった。彩にはそう言う存在がいて)  そんな彩を真希は少し羨ましく感じていた 「えっと……真希……?」  彩は心配そうに顔を除かせる 「えっ、あっ……ごめん。さぁ、あと少しだし片付け頑張ろう」 「うん。そうだね」  衣類をタンスに仕舞い、散らばった本や教科書を本棚に戻していく  片付けが終了したのは、夕方だった 「2人とも、ありがとう。おかげで早く片付いたね」 「思ったより難航したけどな」 「でも、家具とか壊れた物はなさそうだね。彩に怪我がなくて本当に良かったよ」 (体調の方もなんともなさそうだ)  彩の様子を見て真希は安心する 「それで、彩。どうする? 良かったら私んちに泊まる?」 「えっ?」 (この部屋にまた寝るんじゃ、きっと不安だよね) 「あっ。事情を話せば、私のお父さんとお母さんもOKしてくれると思うから大丈夫だよ」  彩はうーん……と少し考え応える 「ありがとう。でも、大丈夫。もうすぐ両親も帰って来ると思うし」 「そ、そう?」 (まぁ本人がいいなら、いっか) 「うん。なんかごめんね。せっかく誘ってもらったのに」 「ううん。気にしないで」 「俺は今日、真希の家に泊まるけどな」 「はっ?」 (琥珀、今何と?) 真希は思わず琥珀の方を向く 「なに。ちゃんと風花からは許可もらってるぞ」 「いやいやいや。私聞いてないけど」 「あぁ。今言った」 「あのね。もっと早く言いなさいよ」 「はいはい」  2人を見て彩はクスクス笑う  本当に 仲良しなんだなぁと思うのだった 「それより良いのか? 早く帰って来いと言われてただろ」 「あっ、そうだった。そろそろ帰らなきゃ」  真希は琥珀を仕舞い、視線を彩に向ける 「本当に大丈夫?」 「うん」 「何かあったらすぐに連絡して」 「分かった。今日はありがとう」  また明日ねと言葉を交わしす  マンションを出ると自宅へと向かった
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