1.人形と探偵とコスプレイヤー

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「彩からだ」 (何かあったのかな?) 「彩? 内容は?」 「えぇっと……」  真希は内容をそのまま読み上げる  寝てるかな?今日は心配して来てくれて、手伝ってありがとう。おかげで助かったよ。今のところ何も起こってないから大丈夫だよ。お父さんとお母さんが様子を見てくれるから安心して。おやすみ 「そうか」 「取り敢えず、今は何ともなさそうだね。良かった」  分かった。もし何かあったら必ず連絡して。安全な場所へ逃げてね。お休みなさい  そう文章を打ち返信した 「これでよし」  返信完了するとスマホを机に置いた 「ねぇ、琥珀」 「なんだ」 「この映像、彩に見せるべきかな」 「やめとけ。ただでさえ混乱してるのに追い討ちを掛けるつもりか。もし話をするなら様子を見た方がいい」 「そうだよね。やめとこ」 (また何が起きるか分からないしね)  パソコンの電源を落とし閉じる  そして学校で出された課題を着々と済ませる 「さて、彩に怪しまれない様にしつつ探っていかないとね」 「どうやって?」 「うーん。取り敢えず明日学校で彩の行動を探ってみよう。異変があったらすぐ駆け付けれるし一石二鳥!」 「まぁ。いいんじゃないか」 「なんか、呆れてない?」 「別に。こいつ本当に大丈夫かって思っただけ」 「ちょっと。どういう意味よ」  まったく……と真希は口を尖らせる  課題を終わらせ真希は背伸びした  身長伸ばしたいのかと茶化されたがスルーした 「とにかく、もう遅いし後は明日にしよ。琥珀。私がいない間勝手な事しないでよ」 「分かってるって。ちゃんと大人しくしてる」 「絶対だよ」 「あぁ」  寝る準備を済ませ、もう一度スマホを確認する  通知はなかった  琥珀を手入れしケースに入れる 「わざわざここまでする必要ないんだけどな」 「そういう訳にはいかないの。ゴミとかついてたら申し訳ないじゃん。じゃあ、おやすみ」 「おやすみ」  消灯しベットに入った  翌朝、起きてカーテンを開ける  天気は快晴。日差しがとても眩しい 「うーん。いい朝だね」  おはようと琥珀に声をかけ身支度をする  ケースの中窮屈だったと琥珀は文句を言っていた  いつもの様に朝食を済ませる  父と母は先に出勤をしたため火の元確認し  戸締まりを行ってから学校へと出発した
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