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「あ、真希だ! おはよー」
通学路の信号の向こう側で、梨沙と未菜に合う
おはようと手を降り、2人の元へ向かう
梨沙は徒歩、未菜は自転車通学のようだ。
梨沙に合わせる為、未菜は自転車を押していたのだろう
信号が青になる
「うん」
3人は学校へと歩きだす
「2人ともいつも一緒に登校してるの?」
「そうだよ。ちなみに彩と校門前でよく会うよ」
(3人だいたい同じ時間帯に着くんだね)
前は3人一緒に校舎に入っていたのだとか
最近、彩はバス通学で先に教室に着いているのが多くなったらしい
「真希ちゃんもこっち通るんだね。気付かなかったよ」
(今まで会ったことも、話したこともなかったもんね)
「うん。私の家と事務所がこっち側にあるから」
「そう言えば、探偵事務所って花の園の中にあるんだっけ。いい場所だよね」
「旅行雑誌に載るくらい名所だし。あの景色を毎日眺めてる真希が羨ましい」
「フフッ。じゃあ今度おいでよ。花の園のパスタ凄く美味しいよ 」
そう言うと、2人は目を輝かせた
「マジ?じゃ彩も誘って行こうよ」
「いいね。パスタ食べみたい」
「おいでおいで。一緒に食べよう」
「もう。真希最高」
「そんな大袈裟な」
そう話しているうちに、校門に着く
(話をしてると、あっという間だね)
「そう言えば今日、3組と合同体育があるんだっけ。真希ちゃん一緒だね」
「うん、そうだね」
(2日連続で体育とか、最悪……。体力もつかな……)
「昼休み前に体育とか、マジでだるいよな。体力テスト終わったのが唯一の救いだよ」
「でも、梨沙は運動得意じゃん」
「まぁ、そうなんだけどね」
1組に着き2人は教室に入っていく
「じゃあ真希。また後で」
「体育で会おうね」
「うん。また後で」
2人と別れると3組の教室へと向かう
「さて……」
席に着くと、鞄の中を確認する
体操着と弁当を入れてる鞄に、真希は違和感を感じていた
(やっぱりか……)
明らかに体操着とは違う物
上着とズボンの間に琥珀が入っていた
「もう……」
誰も見てないことを確認し
鞄を持ってトイレへと駆け出した
トイレには誰もおらず、手前の個室へと入った
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