1.人形と探偵とコスプレイヤー

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 ふぅ。と一息つき小声で話かける 「もう、勝手に私の鞄に入るなって言ってるでしょ」 「バレてないし、別にいいだろ?」 「そう言う問題じゃ……。この前、先生に見つかって大変だったんだから」  前回、真希は教頭に琥珀を没収され放課後呼び出しを受けた  次回は持って来ないことを約束に返してもらったのだ  その晩、オーナーである風花に説明し謝罪した 「今回は上手くやる」 (懲りてないなぁ……) 「仕方ない……。鞄から絶対出ないでよ」 「分かってる。それより、もうすぐ予鈴鳴るぞ」  時刻は8時24分を指している 「大人しくしててよ?」  鞄のチャックを閉め教室へと戻る キーン……コーン……  席についたのと同時に予鈴が鳴る  朝礼が終わり午前の授業に移る (風花に言っておいた方がいいよね……) (彩、昨日は大丈夫だったかなぁ)  いろいろと気になり出し、授業に集中出来なかった 「はぁ……」  そして向かえた4時限目 「どうしたの? ため息なんかついて」  更衣室で隣から話かけられる 「あ、彩……」  隣を見ると、彩が不思議そうに真希を見つめていた 「大丈夫? もしかして昨日……」 「大丈夫だよ! 昨日は何ともなかった」 「そ、そう……」 (取り敢えず安心……かな……?) 「本当にありがとう。それで、真希はどうしたの?」 「あぁ……えっとね……。次の体育、気が乗らないな~って。いつもなんだけど……」 ハハハ……と苦笑い 「分かる。お昼前の体育はキツいよね」 「だよね! 私、体力が絶望的だし……」 「私も体育はあまり得意じゃないよ。まぁ、程々に頑張ろ?」 「うん。ありがとう」  着替えを済ませると2人で第2体育館へと向かった  準備運動済ませると、ボールが用意させる 「今日はドッジボールをやります! 2つのチームに分けますのでクジを引いて下さい」 (外野に居座ろっかな……)  そう思いつつクジを引く  引いたのは赤チームだった 「あ、真希。同じチームだね」 「うん。よろしくね彩」 (梨沙と美菜は……白チームか……)  チームで集まり外野を決める  真希も立候補したがジャンケンで負け落選してしまう (ついてないなぁ……)  苦笑し内野へと入った (気が乗らないけど、程々にやろう)  ホイッスルの合図と共に試合が開始する
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