Bパート 前

5/11
前へ
/193ページ
次へ
 ――ここはレリエル実験基地っていうのか。 「Lベース。通称、そう呼んでいます」  雨宮は意味深な笑顔を浮かべた。 「えっ?」  薫は、自分で思ったことが雨宮に伝わっていたことに驚いた。 「ごめんね、驚かせて。このLベースでは、iマギが使えるんだ。一時的に花咲君も使えるようにするから。……はい、どうぞ」  雨宮が言うと、薫の頭の中に滝のような情報が流れ込んで来た。友達の思念、E-SNS、各ジャンルのニュースや参加しているゲーム世界など。しかし、薫は違和感を感じていた。 「気づいたかもしれないけど、特殊なLCL通信を使っているから、花咲君は情報取得しかできないようになっている。ここは未公開の基地で、情報漏洩させないためだから、ご了承下さい」 「はぁ。それはかまいませんが、一体俺は何をすればいいんですか?」  すると、iマギを通して雨宮から資料が送られて来た。ネットアイドル「ホワイト・カンバス」絶対零下予言思考少女サルベージ計画という長いタイトルだった。そして、赤字で大きく極秘と印字されていた。
/193ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加