Bパート 前

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「質問はかまわないが、内容によっては答えられない」 「はい」 「何でしょう」  雨宮は机の上で両手を組んで構えた。 「なぜ、俺が選ばれたんですか?」  薫が問うと、雨宮は少し考えて口を開いた。 「それはホワイト・カンバスさんがネット上に登場した初期から今に至るまで、花咲さんが彼女と交流が一番深かったからです」 「それなら彼女の家族や友人の方がつながりはあると思いますが……」 「もう手遅れなんですよ。本人の周囲は」  一体ホワイト・カンバスに何があったんだ。  ――知りたい。  そんな思いがふつふつと涌き上ってくる薫。 「彼女の命にも関わることだったので、セリカの運営者にも協力してもらい、彼女のアカウント内を見させていただきました。そしたら、四人ほどプライベートオンリーに登録されていました。ログを確認したところ、初期から健全な交流をしていた方々でした。花咲さんもその一人」 「ネットアイドルとして人気が出た頃くらいに、向こうからプライベートオンリーの申請が来ました」  薫は他の三人について見当もついていた。
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