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「質問はかまわないが、内容によっては答えられない」
「はい」
「何でしょう」
雨宮は机の上で両手を組んで構えた。
「なぜ、俺が選ばれたんですか?」
薫が問うと、雨宮は少し考えて口を開いた。
「それはホワイト・カンバスさんがネット上に登場した初期から今に至るまで、花咲さんが彼女と交流が一番深かったからです」
「それなら彼女の家族や友人の方がつながりはあると思いますが……」
「もう手遅れなんですよ。本人の周囲は」
一体ホワイト・カンバスに何があったんだ。
――知りたい。
そんな思いがふつふつと涌き上ってくる薫。
「彼女の命にも関わることだったので、セリカの運営者にも協力してもらい、彼女のアカウント内を見させていただきました。そしたら、四人ほどプライベートオンリーに登録されていました。ログを確認したところ、初期から健全な交流をしていた方々でした。花咲さんもその一人」
「ネットアイドルとして人気が出た頃くらいに、向こうからプライベートオンリーの申請が来ました」
薫は他の三人について見当もついていた。
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