Bパート 前

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「えぇ。会長はあなたに協力してもらいたいって言ってました。今日のお昼にも会長自ら正式な協力要請をしに行くと思うわ」  揚羽黄柚子は周りの生徒に聞かれないように小声で薫に言った。 「本当に?」  薫は困った顔をする。 「個人的には関わらない方がいいと思います」 「それは、あぶない山ってこと?」  黄柚子は薫の質問には答えず、しばらく間を空けて、 「我がセリカ学園の頼りになる高校生探偵さん!」  黄柚子は冗談ぽく微笑んだ。 「探偵とかそんなんじゃないよ、俺は」  そう言って、薫は歩き出した。 「そうなの? 今回のポニーテール狩りの犯人も追っているんでしょ。私たちの髪を切った犯人の手がかりは何か見つかった?」 「いくつかは……ね。でも、どれも不自然なんだよ。犯人に混乱させられているのか、決定的な推理要素を見つけられていない。犯人を見つけるのに時間かかっちゃってごめんね。揚羽さんはじめ、五人もの女子生徒がポニーテール狩りに合っているっていうのに……」
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