Bパート 中

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「それは、ATFwを浸食し心を侵す絶対零下予言思考をもっているから」 「絶対零下予言思考……」  薫が復唱した。資料の表紙に絶対零下予言思考少女と書いてあったのを思い出した。 「ネガティブ思考で、それが絶対的だと思って下さい。そのネガティブ思考は彼女の思念波に乗って、周囲の人に影響を確実に与えます。その思念波を絶零波と呼んでいますが、それは誰も拒絶することができません。もし、それがiマギを介していたら、かなり多くの人が立ち直れないほど精神的に影響を受け、昏睡状態に陥っていたでしょう。特にホワイト・カンバスさんのファンの人たちはね」  薫は心臓にくいを打たれたような衝撃を受けた。 「さきほど周囲の家族や友達は手遅れと言ったのは、その絶零波を受けて倒れてしまったってことですか?」 「はい。未だに回復には至っていないんです」 「なぜ、ホワイト・カンバスはiマギにはアクセスしなかったんですか?」  薫がそういうと、雨宮はニヤリとした表情を見せた。
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