Bパート 後

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 ホワイト・カンバスはロボットのように目と口から光を発し、薫はなす術もなく一瞬でその光に飲み込まれた。  ――。  ――。  ――。  薫はいつの間にか目をつむっていた。目を開くとユニバース世界は止まっている。反射をし続けていた一直線の光すら動いていない。 『花咲さん。わかりますか。雨宮です』  薫の頭の中に雨宮の声が伝わってきた。 「あ、はい。わかります。あの、これはどういう状況ですか?」 『見ての通り、ユニバースの時間を停止させています。一分間しか止めていることができません。あのまま、彼女の絶零波を受けてしまうと花咲さんも心を侵されてしまいます。我々にとってあなたが最後の頼みなんです。ここはいったんユニバースから離脱しましょう』 「でも、ホワイト・カンバスの気持ちがわからないと彼女の心を変える方法が見つかりません」 『花咲さん。こんなこと言いたくありませんが、あなたで救出できなければ、ホワイト・カンバスの命はここまでだと思って下さい。次の手を考えましょう』 「……」 『花咲さん。そろそろ時間が元に戻ってしまいます』
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