Bパート 後

8/11
前へ
/193ページ
次へ
 白絵の考えに薫は頷く。 「親」  また薫は問う。 「……有り……かな。なしかも」  白絵の答えに薫はまた頷くだけだった。 「時間」  また薫は問うた。 「あり。永遠なんていらない。長過ぎよ」  白絵の口調はしっかりとしたものになってきた。 「そうだね。俺もそう思う」  薫は笑みを浮かべた。  すると、またなんの前ぶれもなく、白絵の体に巻かれていた鎖が解かれる。白絵の苦しそうだった表情がやわらかくなる。 「妹を思う兄」  続けて薫が問う。 「なし」 「ホールデン=コールフィールドの声」  さらに薫は問う。 「あり。退屈しなさそうね」  白絵の両足を拘束していた鎖がほどけ、足が自由になった。 「紙とペン」  と、薫。 「あり。その日にあったことを残すの。自由な思いを描きつづるのもいいね。それがホワイト・カンバスの由来よ。本当はセリカでも自由にやっていたかったの」 「そうだったんだ。静かに続けられていたら良かったね」 「今さらって感じ」 「じゃぁ、iマギ」  薫が問うた。 「なし。リアルだけどリアルじゃない。邪魔ね」  白絵が答えた。
/193ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加