Bパート 後

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 しかし、こうして俺はユニバースから肉体に戻ってきている。絶零波の影響は出ていないと自覚している。精密に調べたらわからないが。あの光を受ける前に雨宮さんが俺をユニバースから強制離脱させたのかもしれない。でも白絵は……。戻ってこないということは、彼女の絶零波を押さえることはできなかったということなのか。このまま彼女は何もわからないまま死を迎えるのか……。  ――。  ――。  ――ごめん。ホワイト・カンバス。 「白絵さん。本当にごめん。もっと話をしたかったのに。今までのプライベートオンリーよりも楽しかったよ。ごめん……」 「何で謝るんですか?」  白絵の声に驚いた薫は白絵を見ると、彼女は目を開き、起き上がろうとしていた。 「白絵さん。良かった。最後、ダメかもと思ってしまいました」  薫は体の緊張が解け、白絵のカプセルにもたれかかった。 「あの世界を壊そうと全力で叫んでみたけど、無理だったみたい。あなたが離脱したあと、私も強制離脱させられた。でもすっきりしたわ。何もかも吐き出したって感じ」
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