Bパート 後

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 次にセリパラ号の後方に位置取った戦闘機が銃撃してきた。数発、銃弾が当たった。 「セリパラ号を蜂の巣にする気かよ」  薫は攻撃されてカッとなり、デッキから身を乗り出して肩から下げていた銃を後方の戦闘機にむけて撃った。連射された弾は、先と同じように装甲に弾かれるだけだった。 「船長。無理しないで下さい。落ちますよ」  イノガリは半身船の外の薫をつかみ押さえていた。 「軍隊ですら装備していない特殊装甲。うちの飛空艇も黒鉄でまとった方がいいのか。俺は木造の何とも言えないやわらかい飛空艇が好きなんだよな」  薫は肩を落とした。 「私も木造のセリパラ号が好きです。船長、一緒ですよ」 「イノガリ……」 「提案ですが、あれを使いますか? こんな時だからこそ」 「ミドリムシか。わざわざ親父が残していったやつな」  二人は目を合わせて笑う。 「準備してくれ」  薫は親指を立てた。 「浮力推進機関の出力が一時的に減少しますが」 「敵艦が沈めば問題ない」 「了解。船長!」  イノガリは船内に走っていった。 「セリカ・パラノイド空賊団の秘密兵器が登場するまで保たせろよ」
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