Bパート 後

3/10
前へ
/193ページ
次へ
 薫はそう言って、クルーと一緒に銃を構え、戦闘に加わった。 「ちょっと狭いけど、我慢してね」  ハレミは、蒼を自分の部屋に連れてきた。二段の寝台があるだけの部屋だ。 「ごめんなさい。皆さんを巻き込んでしまって……」 「始まっちゃったんだから、もうそれは言わないの。大丈夫よ。こんなこといつものことだから」 「えっ! いつも戦っているんですか?」 「毎日って訳じゃないけど。皆、はみ出し者ばかりだし、何かと目をつけられているの。トラブルには慣れてるしね」  誇張して言ったつもりのハレミだったが、それでも蒼は申し訳なさそうにもの憂い表情である。 「でも船長さんは、俺らを巻き込むなって言ってました」  あぁ、とハレミは言って、貨物室を出る際に薫が言ったことを思い出した。 「あれね。こういう状況をほとんど楽しんでるからわざと言ったの。でも、苦戦してるみたいだけど」  と、ハレミは狭い天井を見上げた。  飛空艇の賑やかな音が耳に入ってくる。風がぶつかる音や船がきしむ音、機関音、発射される銃弾の音。
/193ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加