Bパート 後

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 ハレミの説明の間にもまた一機の戦闘機が静かに姿を消した。 「それと、蒼ちゃんは私の妹になったから、よろしくね。船長」  ハレミはニヤリと、したり顔を薫に見せた。 「ハレミ。勝手に……」 『兵器ミドリムシの充塡完了。繰り返す。兵器ミドリムシの充塡完了』  アナウンスがデッキに響き渡った。 「イノガリ、デッキ後方だ」  薫はハレミをちらっと睨みつけ、ケーブルにつながれた銃器を持って船尾に向かった。 「蒼! 下がっていいわ!」  ハレミはデッキから半身乗り出して叫んだ。蒼は後方にいる戦闘機から離れ、セリパラ号に戻ってきた。羽から黄色の鱗粉は出ていない。  薫とイノガリ、クルー二人の四人で銃器をしっかり持つ。 「目標。不沈船、黒鉄の飛空艇!」  薫が言うと、銃器を持つ手にさらに力が入る。セリパラ号の飛行速度が落ちているため、黒鉄の飛空艇との距離は縮まっていた。薫はしっかり狙いを定め、発射スイッチに指を添えた。 「撃て――っ!」
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