Bパート 前

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「そうか。どうしたものか。やっぱり学生が入り込むには危ないのかもな」 「会長。とりあえず最後に目撃された屋上近辺は立ち入り禁止にしておきましょう。何か証拠が残っているかもしれません」 「いや、待って下さい!」  突然、薫が立ち上がり、副会長の言葉尻に繋げた。そして、 「屋上を立ち入り禁止にするのは、すぐではなく来週からにした方がいいですよ。急に禁止にすると先生や生徒に反発される可能性があります。生徒が使うのは、昼休みに弁当を食べる時くらいですし」 「それもそうだな。先生方は、必要ないと突っ返してきそうだな。よし、花咲君の言う通り待つとしよう。花咲君、屋上を調べておいてもらえるか?」 「もちろんです」  生徒会会議は一時間半ほどで終わった。あまり事を荒立てず、地道に情報を集めることに捜査方針を確認するにとどまった。  薫は会議が終わった後、屋上に向かわず、校舎の裏手へ向かう。滅多に人は通らず、校舎と外の道路の間に立つ壁があるだけだ。いつも日陰になっている。
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