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「わたしは生きたい。この空を飛んでいたい。私をこの空で飼って下さい!」
蒼の頬を涙が伝う。
「ふん。俺の指示と天候には逆らうんじゃねーぞ。いいな」
薫は銃を下げた。
「はい!」
そして蒼はやっと笑顔になった。
「あと私の指示もね、妹よ!」
ハレミは両手を振って言うと、すぐに薫が、
「何でだよ。船長の指示だけに従っていればいいんだよ」
と、言い返す。
「私はこの船の女頭よ!」
ハレミは自分の胸をポンと叩いてアピールした。
「もう知るか。おめーら、始めるぞ。歓迎の祭りを!」
薫がそう言うと、静かだったクルーが拳を握り空へ向けて応えた。
蒼は喜びを表現するようにセリパラ号の周りを優雅に舞ってみせた。青く光る粒子を散らせながら。
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