第7章 飼い主 四季野牡丹 1

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「んー、そう言われるとそう思えるような気もします。薫少年のような人。でも違う気もします。誰もいない暗闇を照らす光だったかも……」  牡丹は真っ白の天井をボーッと見ていた。  白い蝶の羽を生やした寝間着姿の牡丹に、揚羽黄柚子、赤星稲穂、志染紅子、屋久島るみ、褄黒白絵、楯葉蒼が重なり、一点に向かって手を伸ばしている。その先には薫少年が「さぁ、皆おいで」というように、彼女らに手を差し伸べている。薫少年の手を握るとぐっと引き寄せられ、その瞬間、蝶の羽は風に流される光の粒子となって消えていった。
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