Bパート 前

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 そこには購買部で売っているパンや菓子の袋がいくつかゴミとなってあり、また数多くの髪の毛もあった。ここにポニーテール狩りの犯人が、切った髪の毛を捨てた場所とされていた。気味悪がって生徒は近づかない。全て回収しきれずに残っている髪の毛は、校舎と道路壁の間を吹き抜ける風になびかれていた。その風は薫の身体を震わせるほど冷たかった。  おそらく髪の毛はここで捨てられた訳じゃない。風に流れてここへ集まっただけだ。パンと菓子の袋もそう。薫は夕陽に染まる空を見上げるようにして、校舎の屋上に目線をやった。  ショートカット推進委員会、ポニーテール狩り、蜘蛛手紘一の失踪。どれも犯人の動機がわからない。明日、直接聞いてみるしかない。種は仕掛けた。その種を拾いに来てもらおうか。
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