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「そう。スイッチを押して爆発して、蝶の羽が生えても、物語のように薫少年という導きの光が必ずある。牡丹さんはどの羽を生やしても大丈夫だってこと。スイッチを押した牡丹さんだからこそ、彼女を生み出し、そして解き放つことができる。解き放ち方はひとそれぞれ違っていていい。むしろ、違っていないとおかしい。牡丹さんは牡丹さんでしかないんだから」  薫は少し興奮気味だった。 「よくわかりません。夜中にティッシュを丸めて蝶のように形作って、さらに夢まで作り上げてるなんて……」  左右に首を振り、牡丹はケースの中を見つめるだけだった。 「牡丹さんの新しい一面だよ。素敵な世界じゃないか。今まで色んな人と関わってできた世界を無下にする必要はない。大事しておきなさい」 「……」 「そこで一つ。私から課題だ」 「課題?」 「うん。この素敵な分身たちを牡丹さん自身の力でもう少し広い場所に移してみなさい」 「……」  もう一度牡丹はケースを見つめた。 「これには模範回答はない。牡丹さんが自分で作り出す。それが答え。とりあえず、このケースよりは大きくないとダメだよ」 「……」
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