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牡丹は嫌がる素振りは見せず、しかし頷くこともせず、ただケースの中のティッシュペーパーを見つめていた。具体的に頭の中でイメージを膨らませているのか、それとも課題をやるかやらないかを考えているのだろうか。
薫には今、牡丹が何を考えているのかわからなかった。
蝶の女の子たちを通して少しでも自分という壁と向き合って欲しい。結果がどうなるかなんてまだわからない。ただ逃避世界に戻ってはダメだ。牡丹さんの世界は決して逃避世界ではない。これから作り出して行く現実世界……となればいい。
と、薫は思っていた。
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