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薫はページをめくっていくと、牡丹の言っていることがそこでやっとわかった。正直、目を疑った。
「これは……」
薫の背筋が凍った。
――こんな醜い私を愛してくれてありがとう。あなたに話せてよかった。
揚羽黄柚子――
――うみはひろいな、大きいな。しょっぱいな。ざばーんってなみがうみなんだね。おにいちゃん。
しじみもみこ――
――落ち込んだ時、壁にぶつかった時、刻印された蝶の羽を見て、あなたを思い浮かべます。また必ず約束の地で会いましょう。
屋久島るみ――
――プライベート・オンリーの時みたいに楽しませてもらっています。いつもお手紙ありがとう。また、書きますね。
褄黒白絵――
――もっと色んな空を飛んでみたいので、いろんなところに連れて行って下さい。船長。
楯葉蒼――
「不思議ですよね。少女たちの名前が書いてあるの」
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