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ポニーテールの女子学生・揚羽黄柚子は振り返った。薫の言った通り、彼女はセルフレームのメガネをかけていた。そして、不気味に笑った。
「薄々勘づいているとは思っていたけど、今日来るとは思っていなかったよ」
ハキハキとした言葉が返ってきた。
「何のために昨日、屋上の出入り禁止期間を先伸ばしにしてもらったのか。それは君がここへ来れるようにするためさ」
「こんなに早く私の元へやってくるとはね」
「校内で五人の髪の毛が連続して切られてしまったんだ。自分なりに反省しなきゃならないけど、五人の被害者が出たことによって犯人がわかった」
「ふーん。どうしてそれが私につながるのかな」
黄柚子は平静を保ち、むしろこの状況を楽しんでいるように見えた。
「一連の事件は、ポニーテール狩りとまで言われるようになったくらいで、被害者の髪型全員が普段からポニーテールだった。今の君のように。そして、被害者五人は皆、口を揃えて言っていた。犯人はうちの高校の制服を来た女子で、髪型がポニーテールだったと。何か違和感がないかな?」
薫は黄柚子に問うてみた。
「うちの制服を着ていたこと?」
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