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「いいや、制服であることは犯人による何らかのメッセージだと思う。この学園内の誰かに向けて、犯人はこの学園にいる生徒だと。その誰かは、俺ではなくこの学園の先生だ。学園外部の人が犯人では事が大きくなる。この学園の体質を利用して、わざとこの学園の生徒が犯人だとわかりやすい印象をつけた。すぐに見つかっては元も子もないからね。木の葉を隠すなら森に隠せ。自分を隠す、カモフラージュするには制服を着ているのが一番いい。しかもポニーテール姿の女子が犯人となればね。俺が感じた違和感はそのポニーテールさ」
「それが何なの?」
黄柚子は依然と変わらない余裕の態度だ。
「ポニーテール狩りをするくらいの犯人なんだ。きっとポニーテールに対して並々ならぬ嫌悪感や犯行に至る強い気持ちがあるはずなのに、五人もの髪を切り落としてもなお、犯人はポニーテール姿で犯行を侵すというのは違和感だらけだ。絶対犯人はポニーテールではないと考えられる」
黄柚子の表情に影が差す。
「普段の生活では、君はショートカットだろ。揚羽黄柚子。それにメガネもかけていない」
「ふふっ。そうね」
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