Bパート 後

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 黄柚子は頭に被っていたウィッグとメガネをはずした。髪の短い普段の姿の揚羽黄柚子に戻った。 「やっぱり話をしていた時より鋭いね。本性隠していたでしょ、花咲薫。本当に高校生? 同学年とは思えない」 「話をそらすな。俺のことはどうだっていい」 「ふふっ、そう? 生徒会に頼られているのにね。髪の短い子なんて他にもたくさんいるのに何で私だと断定できちゃったの? 先生たちすら気づいてないみたいだし」 「五人も被害者が出ているのに、警察に通報していないこの学園も学園だけど、そんな大人たちは俺たちのことを見ていないんじゃないかな。表面上だけでかもしれないけどさ。そもそもポニーテール狩りが起きたのは、二週間前。君が第一の被害者。そうしたのは自分が犯人だと疑われないためだ。『ショートカット推進委員会』。これも君が広めた言葉だろ? ポニーテール狩りをするたびに、被害者に向けて発言した。被害者みんな、口を揃えて言っていた」  得意げな顔になった薫。 「辻褄はあってるよ。でもよく私だとわかったわね」
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