Cパート

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 と、思う一方で、牡丹は揚羽黄柚子の気持ちがわからない訳でもなかった。特に誰にも言えない悩みという部分に関しては。それに何とかしてあげたいと思い、行動した薫の気持ちもわかる。  でも、私は誰にも言えない悩みを持っている薫に何かしてあげられるだろうか。高校生がこんなところにずっといてはもったいない。急ぐ必要はないけれど、少しでも早く外の空気に触れてもらいたい。たくさんの刺激的なことが経験できるよ、と心の中で願うだけ。それが今、私ができることになりそうだ。 「牡丹さん。ごちそうさまでした」 「はーい」
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