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「さぁ、朝ごはん食べよう。その子、しまいましょうか」
もちろん、しまう先は標本ケースの中だ。
「紅子は一緒にいてくれるんです。紅子は大人しくここにいるんだよ」
薫はテーブルの上にティッシュの箱を置き、その上に紅子と名付けられた妹をイスに座らせるようにやさしく置いた。薫の動きは関節機能をもった人形を扱うようだった。
人形のように節々を動かすことができることに、牡丹は驚いた。
ベッド脇にある台の上の標本ケースを見て、この中にいる子たちも動かせるのだろうか、と牡丹はガラス越しに、膝や腕、首を観察した。
蝶の羽を生やした二人の女の子は、動かされた様子は全くない。表面上、関節機構のような作りは見られず、人と全く同じだった。実は皮膚の下に隠されているのかとも思ったが、不自然な膨らみなどはない。
ティッシュ箱の上にちょこんと座っている紅子で三人目。
薫が泣き乱した後、二日間は何も起きなかった。涙を流してすっきりしたのだろうか。
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