Bパート 後

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 紅子は薫の質問に、首を横に振った。 「お父さんとお母さんはいつも夢録の研究をしてるからどこにも連れて行ってもらったことはない。ずっとここで私の好きな夢を何度も見たり、たまに人の夢を見たりしていたの」 「じゃぁ、志染さんは自由に夢を見れたりするってこと?」 「はい。一度夢録したテープを見るの。はなざきサンの夢もここに入れれば、見ることができるんです」  紅子は、自分の額を指差した。 「ってことは、ここにあるテープも」  薫は他に並ぶ数々の夢録されたテープを見上げた。他人の夢がどんなものなのか気になる。けれど……。 「ダメだよ。こんな所にずっといちゃ」  薫は強く言った。 「えっ!」  紅子はビクッとする。 「幼稚園や小学校も行ったことないんだろ?」  薫は口早に言うと、紅子は目を見開いて頷いた。 「じゃぁ、なおさらだ。こんなところ出よう」 「でも私は出れません。ここで夢録をしないと」
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