Bパート 後

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「薫君……」 「るみと出会って、これから自分が何をしなきゃ行けないのかずっと考えてた。でもわかった」 「それは何?」 「るみさえ良ければ、この島を人が住める島にしよう。お互い勉強してこの島で生活できる力をつけてこよう。るみが島を離れてしまえば、せりか島の歴史は止まる。でも、またここに戻ってくることができれば、せりか島の歴史はまた刻まれ、止まっていた間もまた歴史の一部になる。るみが歴史を止めてしまうことにはなるけど、またスタートさせるのも君だよ」  薫の話を聞いている途中から、るみは涙をポロポロと流していた。一人この島に残ってから何度も寂しさを感じていたけれど、自分の意思を貫き通そうと泣くことを我慢してきた。今、溜め込んでいた分の涙をるみは流していた。 「薫君……」  薫はるみの肩にそっと腕を回した。  『島の民と少年よ。握手をかわせ。それをこの島での再会の契りとする』  島の主の声が響くと、るみと薫は握手をした。  『では二人に契りの印を残す。もし、どちらかが契りを破った時、二人に罰が下るだろう』
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