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第1話
私は夕立が嫌いです。
夕立がくる度に嫌なことを思い出してしまうから…
激しい夕立の日、お父さんがいなくなりました…。
私とお母さんと弟をこのアパートに残して、出て行ってしまったのです。
さらに激しい夕立の日、今度はお母さんと弟がいなくなりました…。
私をこのアパートに残して、新しいお父さんと出て行ってしまったのです。
夕立の叩きつけるような雨の音に激しい稲光。やがて夕立が止んで静かになった時、私だけがアパートに取り残されていました…。
◇◇◇
「ああ、また今日も夕立だ」
ポツポツと降り出した雨がだんだんと叩きつけるように激しくなる。
夕立が起こると、私から大切な物を奪っていくから嫌いです。
でも今の私は独りぼっちなので、もう夕立も私から何も奪うことが出来ないでしょう。
「ざまあみろです!」
私は窓の外の夕立の空をキッと睨んで、人差し指を立ててやりました。
本当は中指を立ててやりたいところですが、人差し指で許してやります。中指を立てるハンドサインはしちゃいけないよ、とお母さんに怒られるから。あっ、そうか…お母さんは…もういないんだった…
◇◇◇
ある日の学校からの帰り道。
友達の理香ちゃんと通学路を歩いていると、段ボールから猫の鳴き声が聞こえてきました!?。
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