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「……いいですか、先生。分かりますよねこの状況。真夜中、男女が密室に2人きり……何も起こらないはずがなく……ですよ! さぁ先生! 事を! 起こしましょうー!!」
「起こしてたまるか」
渾身のルパンダイブは華麗に躱され、私はそのままベッドに顔から突っ込んだ。
『狙われる貞操、真夜中の攻防』
「くぅぅぅ……お風呂上り+半裸の女子大生のアプローチ(意味深)を華麗に跳ねのけるその精神力! たまりませんね! 結婚しましょう!」
流石『工学部の鬼』と称されるだけはある。こんな過激な盤面でも絶対に堕ちない。くそぅ、強い。強すぎる。あと鼻がめっちゃ痛い。
「馬鹿じゃねぇの。つか、風呂あがったんだろ、使うぞ」
「あぁちょっと先生そんなこの状態の私を完全スルーするとはご無体な!」
私の横をさっさと通り抜けた先生は、そのままシャワールームに入っていってしまった。……ガチャリと鍵のかかる音が無音の部屋に響いた。
「シチュエーションは完璧なんだけどなぁ」
ベッドに倒れこむ。そこまで大きなホテルではないけれど、最上階のスイートルーム。そこそこのふかふか度。しかも結構大きい――なんなら2人でくんずほぐれつしてもへっちゃらなほど大きい。
「どうあがいてもさぁ! この状況ってエッチなことをするシチュでしょエロ同人的な展開でしょ! ご期待くださいって感じなのに~~~!!」
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