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「今から出席番号順に座って、班ごとに係を決めていってね」
先生が黒板に係名を書いていく。
私はこみ上げてくる嬉しさでゆるむ口元を、誰にも見られないようにしおりで隠した。
今日はこのことを手紙に書こう。
そう思いながら由真ちゃんの姿を探し、12番の席へと向かう。
由真ちゃんは、すでに同じ班の人と机をくっつけ始めていた。
「由真ちゃん、一緒の班だよ! 私、めちゃくちゃ美味しいカレー作るねっ」
嬉しくてたまらなくて、今からはり切ってしまう。
でも、振り向いた由真ちゃんは、微妙な表情をしていた。
「詩、がんばろうね。休むのは絶対ナシだからねっ」
「う、うん、休まないよ。どうしたの?」
不思議に思って聞き返すと、生温かい笑みを浮かべたまま、由真ちゃんの大きな目だけがゆっくりと動いて後ろを指し示す。
その視線を追って、私は彼女の表情と言葉の意味を知った。
あ……。
さっきまでのワクワクがすうっと消えていく。顔に出しちゃダメだと思ったけれど、落胆は隠せなかった。
そこには、不機嫌そうな黒崎くんが立っていた。
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