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僕の夏休み
夏休みの、八月のある晴れた日。中学三年生の僕はおじいちゃんの家の縁側に居た。白いTシャツに黒の短パン。これが僕の『夏の装い』ってやつだ。
おっと、僕の容姿については各々自由に想像してくれて構わないよ。......まあ、そんな感じで。
ここは田舎だから大きなビルも無いし、車もそんなに通らない。そもそも、持ってる人が少ない。
そんな静寂の中で聴こえる蝉の声が、僕は何よりも好きだ。それと、庭に植えてあるイチョウの木。夏は濃い緑色の葉が生い茂るんだ。その隙間から、優しく僕を見守ってくれている木漏れ日。僕はこれも好き。
「あ、珍しっ」
車が通った。普段はうるさいと思うような音も、ここに居ると心地よささえ感じてしまう。この感覚も結構好き。
......とまぁ僕はだいぶいい加減な性格なんだけど、こう見えて夏休みの宿題は七月中に終わらせてる。褒めても良いぜ? だから今日から三日間、僕のだらだライフ(だらだらするライフ)がはじまる!
......筈だった。
猫が居たんだ。居るはずのない猫が。
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