現代①

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「あ……」  そんなことを思い巡らせていると、私は、桜並木の道を歩いていることに気付いた。  春になると、桃色と白のコントラストが綺麗な素晴らしい道になるのだが、今は冬。黒くゴツゴツと何本も枝分かれしている独特の木達は、まるで枯れているのようだ。  生きているのか分からない。時期が来ても、果たして無事に咲き誇るのだろうか。見ていると、不安に駆られてくる。 「……」  黒い存在感を持つそれらを眺めながら、ふと、彼のことを回想した。
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