マッチャ、ごめんな。

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マッチャははじめは髭だらけの身なり構わずに研究に没頭する僕を怖がって近寄らずに研究所の隅に寝ている日々だったけれど、餌や風呂に入れる僕に次第にこころを許してくれたようで、最近は声をかければ必要な道具をすぐに咥えてきてくれる賢い助手になってくれていた。 僕は三年前、病に倒れた妻の墓標の隣に このドームを作っている。 妻の愛した世界のあらゆる絶景をこの地球にまた復活させる日を夢見て毎日研究に勤しむ日々だ。 妻とは違って研究者だったわけではないから手探りで失敗の連続だ。諦めてしまいたくなることもある。 でも僕にだって強みはある。
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