マッチャ、ごめんな。

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だから、君たちとは行かないよ。 ああ、どんな危険な実験もチャレンジできるって言っているだろう? 僕は三年ぶりだったその訪問者達を三日間もてなし、最後の日に共に来ないかと誘われた。 でも決意は揺るぎはしないさ。 彼等が宇宙船に乗り込み、人工星に旅立つのを見送ると、マッチャと研究所に戻った。 夕飯の準備をする。 窓の外は乾いた熱風が絶えず吹いている。 今は荒れていてもいつか。 マチュピチュ。 アンコールワット。 ウユニ塩湖。 エンジェルフォール。 ピラミッド。 フジヤマ。 数えたらきりがないほどにあった美しき絶景(ぞんざい)。 さっき帰って行った彼等がまたこの星を通りかかる時、驚かせたい。そして急いで家に帰り、みんなに伝えて欲しいんだ。 地球はかつてのように青かったよ。 失われたはずの故郷の絶景が元のように 蘇っていたよ。 帰ろうか。帰りたいね。帰ろう。 そんな会話をして欲しいんだ。 そしてまたここで共に暮らそう、みんなで。 彼らの飼う犬達も、蘇ったそれらの美しき眺めにちぎれるほどに尾をふってくれるだろうから。 その日を夢見て、まずはやるべきことを 一歩ずつやっていこう。 僕は地平線に沈む夕陽を眺めながら、 その日を夢見てマッチャと夕飯を食べた。 明日は初めての化学実験をする。 成功すればさらに緑化を推進できるはずだ。 今日は早く寝よう。 期待に胸を膨らませてマッチャと眠った。
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