人々。

　　人々。

　　人間は、この世で一番優れた生き物だろう。
だが、この世で何より悲しき生き物でもある。

　醜く、汚らわしく、弱い生き物だ。

　そして僕らの生きるこの国の、この時代は人類の歴史上、
一番寂しい時代だろう。

　こんな状況下でも我々は、助け合う事もできない。
みんな小さな画面の中でくだらない争いを繰り広げている。
なんて憐れなのだろうか。

　助けを求める人々が腐るほどにいると言うのに、
僕らはニュースを見て言い合いばかりしている。

日本にはいじめで苦しむ子供が何万といる。
今一人で死のうと、悩んでいる者が何人もいる。
今ウイルスによって生きたくとも生きれず死んでいく人が居る、
その周りにいるものは、看取る事もできない悲しみに暮れている。
職を失い恥ずかしさと申し訳ない気持ちの中、我が子を見てため息をつく者がいる。

こんなにも、こんなにも辛い中過ごす者がありふれているのに、
我々は、何をしているのだろうか。
もう一度言おう、何をしている。

傷つけ合っているような状況じゃないんだ。
誰かを非難している場合じゃない。

君たちの過ごす日々は、在り来たりの日常じゃないんだ。
誰かが死ぬ日なんだ。誰かが涙を流す日なんだ。
誰かが孤独に悩む日なんだ。

今日という日は、みんなが生きた、生きようとした日なんだ。

だから、もっと大切に今日を生きて欲しい。

蔓延し、感染するのはウイルスだけじゃ無い、
笑いも、悲しみも、怒りも同じだ。
だから、出来る限り笑おうじゃないか、
一つ一つの笑顔を噛み締めるように。

みんな生きよう。今を大切に生きよう。
争いはやめようよ。

伝えたい事は、それだけなんです。